「良いビジネスコーチ」と「良いクライアント」の条件とは?
新年のご挨拶
明けましておめでとうございます。
2026年もどうぞよろしくお願い致します。
2025年にスタートしたCoaching Timesですが、
多くのSNS・Webサイトの中から選んでくださり、
またご視聴くださり、どうもありがとうございます。
2026年は、昨年以上により多様かつ役立つ内容をお届けできればと思いますので、
これからもどうぞよろしくお願い致します。
2026年1月
ビジネスコーチ株式会社
橋場 剛
2026年の幕開けとなる今回は、書籍『ビジネスコーチング大全』の著者である橋場氏が、コーチングを「機能させる」ための本質を解説した動画の第2弾をお届けします。
新しい年、目標を立てて再スタートを切るリーダーやビジネスコーチの方も多いはず。しかし、「なぜか行動が変わらない」という悩みに直面することはありませんか?
今回のテーマは、「良いビジネスコーチ」と「良いクライアント」の条件です。
20年間にわたり500名以上のビジネスパーソンと向き合ってきた橋場氏の知見から、2026年のビジネス成果を最大化するために不可欠な要素を徹底解説します。
良いビジネスコーチの条件:成果実現にコミットする「伴走者」
ビジネスコーチングの最大の目的は、クライアントがビジネス上の何かしらの成果を得ることにあります。そのため、良いビジネスコーチの条件は、クライアントの行動変容に真摯に伴走し、成果にコミットできるかどうかにかかっています。
「寄り添う」だけでは成果に繋がらない
クライアントに寄り添うスタンスはもちろん大事ですが、寄り添うだけではビジネスコーチとしてクライアントの行動変容を実現するところまでは至らない可能性があります。
成果に繋げるためには、寄り添うことに加えて、以下のような建設的な関わり方が重要となります。
- 新たな視点の提供:クライアントが気づかなかった視点や観点 を、対話の中でもたらす
- 方向性の提示:クライアント自身がどういう方向に向けて努力していけばいいのかを対話を通じて導き出す
- 率直なフィードバック:場合によっては、クライアントにとって耳が痛いようなことを率直にフィードバックする
良いビジネスコーチとは、単に精神的なサポートをするだけでなく、ビジネス成果を見据えた行動変容の支援に真摯に取り組める人であると言えます 。
良いクライアントの条件:主体性を持ち、努力し続けられる人
「良いクライアント」というと、一瞬戸惑う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
コーチングはコーチが行い、クライアントは「コーチングを受ける人」という関係から、良いビジネスコーチであれば、良いコーチングができると考える人は少なくありません。
主体性を持って取り組むことが重要
実は、コーチングで成果を出すためには、まずクライアント側に「受け身」ではなく「主体性」が求められます。
- コーチングを受けることによって、どういう状態になっていきたいのか
- どういう行動変容を遂げて、その先にどういうビジネス成果を得たいのか
良いクライアントほど、コーチングを受けることに対する、この主体性を持っている傾向があります。
コーチングを「タクシー」に例えると、、
良いクライアントは、コーチを「タクシードライバー」、自分を「乗客」に例えた場合、目的地や、具体的にこういうルートで行きたい、こういうことに気をつけて運転してほしい、といったことを主体的に言える乗客に似ています 。
反対に、タクシーに乗り込んだ後に運転手に「どこに行きたいですか?」と聞かれても、「どこに行きたいのか分かりません」と答える乗客は、扱いにくいと思いませんか。
つまり、良いクライアントとは、コーチングの目的に向かって真摯に努力し続けられる人であり、具体的には、ポジティブな行動変容をするための努力をし続けられる人と定義されます。
受け身なクライアントへの関わり方
実際には、会社から言われてコーチングを受けるなど、自ら積極的に受ける動機が弱く、担当するビジネスコーチに対して「お手並み拝見」といった受け身のスタンスで臨むクライアントも少なくありません。
このような場合、どんなにコーチングのスキルを用いたとしても、相手がコーチングを受ける体制に入っていないため、なかなかコーチングが機能しません。
まずは「人間対人間」として向き合う
そんな受け身なクライアントへの関わり方のポイントは、「コーチング」としての手法やスキルは一旦脇に置き、一人の人間として、人間対人間のコミュニケーションや関係性の中で相手と向き合うことです 。
- 丁寧な傾聴:見た目が高圧的であったり、お手並み拝見な態度であっても、内面では葛藤し思い悩んでいる部分があるかもしれないと考えます 。
- 寄り添う:相手がどのような思いを抱え、どのような苦労や苦難を乗り越えて今日ここにいるのかを、丁寧に伺い、寄り添っていくことからスタートします。
こうした初期の関わり方によって、相手が前向きにコーチングに取り組んでいこうという姿勢になることが重要です。
成果を左右する「目標設定」の重要性
クライアントが前向きに取り組む姿勢になった後に取り組むのが、目標設定・テーマ設定です。
目標設定は、コーチングで最も成果を出す上で重要な要素の一つですが、ビジネスの目標はスポーツのように単純化されたものではないため、難しい部分でもあります。
しかし、最終的には、クライアント自身がそのテーマや目標に向かって努力し取り組んでいくことに対して、納得感、つまり腹落ち感があるかが非常に大事になります。
この腹落ち感がないと、「なんでこんなことをやっているんだろう」とか、「コーチングを受ける意味が感じられない」といった壁にぶつかってしまいます。そのため、なぜそのテーマや目標に取り組むのかというところを、コーチングの初期段階で丁寧に対話していくことが非常に重要です。
まとめ
今回は、書籍『ビジネスコーチング大全』の著者である橋場氏本人による、「良いビジネスコーチ」と「良いクライアント」についてのかみ砕いた解説でした。
良いビジネスコーチは、単に寄り添うだけでなく、新たな視点の提供や率直なフィードバックを通じて、クライアントのビジネス成果の実現に真摯に取り組める人です。
一方、成果につなげるための行動変容を遂げるには、良いクライアントである必要もあります。コーチングの目的に対して主体性を持ち、行動変容への努力を続けられる人ほどビジネスコーチングを十分に機能させることができるのです。
そして、ビジネスコーチングにおいて、なぜその目標を設定するのか、本人が十分に納得していることが非常に重要です。
「良いビジネスコーチ」とは何かを問い、またビジネスコーチングが機能する「良いクライアント」の状態であるかどうかをよく観察することで、ビジネスの成果を最大限に出すことができるのではないでしょうか。
■関連情報・書籍
[書籍] 『ビジネスコーチング大全』(橋場剛 著、日経BP日本経済新聞出版)
■登壇者
橋場 剛 氏
ビジネスコーチ株式会社 取締役副社長 兼 エグゼクティブコーチ

Interviewee
橋場 剛
ビジネスコーチ株式会社 取締役副社長 BCS認定プロフェッショナルビジネスコーチ
大企業へのコンサルティング業務の経験を活かし、経営者、経営幹部、マネジャー、コンサルタント等、300名以上に対してエグゼクティブ・コーチングを実施し、行動変革・業績向上に寄与する。管理職研修の導入実績多数。 ビジネスコーチ社の経営に携わる一方、企業経営者、管理職に対してワークショップのプロデュース・ファシリテーション等を幅広く実施し、多くの企業経営者・経営幹部・管理職から高い評価を受けている。挑戦し続けるビジネスパーソンを応援し、リーダーと組織に活力を与えるために、人と組織の行動変革とその定着化に力を注いでいる。