「破壊的質問力」を高めるコツとは?
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1on1ミーティングやコーチングの場面で、「どう思う?」「何かアイデアはある?」と投げかけても、相手から「特にありません」「分かりません」という返事しか返ってこず、会話が停滞してしまった経験はありませんか?
あるいは、前回の第3回で解説したように、「相手の話を熱心に傾聴しているふりをして、実は頭の中で『次に自分が何をアドバイスしようか』ばかりを考えてしまっている」という罠に陥っている方も少なくないはずです。
こうした一方通行のコミュニケーションから脱却し、相手の主体性を引き出す真の対話を生み出すための鍵となるのが、「質問力を高めること」です。
しかし、ただ漫然と質問を繰り返せば良いわけではありません。相手を思わずハッとさせてしまうような強力な問いかけ、それこそが、書籍『ビジネスコーチング大全』で提唱されている「破壊的質問」です。
連載第4回となる今回は、著者の橋場氏が、相手の脳をフル回転させる「破壊的質問力」の正体と、誰でも明日から実践できる「質問力を飛躍的に高める2つの具体的なコツ」を徹底解説します。
あなたの1on1を劇的に変える「破壊的質問」のヒントを、ぜひ本記事で掴み取ってください。
問いかけられた相手がハッとする「破壊的質問」とは
「破壊的質問力」とは、一言で言えば「相手がまったく考えていなかった角度からの劇的な問い掛け」を生み出す力のことです。
具体的には、相手の思考を深く促したり、問いかけられた相手が思わずハッとしたりするような質問を指します。この「破壊的質問」という言葉は、ハーバードビジネススクールのクレイトン・クリステンセン教授の名著『イノベーションのジレンマ』に登場する「破壊的イノベーション」という概念へのオマージュとして作られた造語です。
良い質問の特徴は、すぐには答えが出ないことにあります。
例えば、「仕事の生産性を今の倍(2倍)にするためには、どういう仕事の仕方をしたらいいと思いますか?」という問いを投げかけられたとします。生産性を2倍にするには何かを大きく変える必要があるため、すぐには答えられません。しかし、すぐに答えが出ないからこそ脳はフル回転し、必死に答えを探そうとします。「2倍は難しくても、1.3倍や1.4倍にするためのアイデアはないか」と考え始めることで、「起きる時間を早くして朝の1時間を有効に使う」「To-Doリストをもう一度見直して下半分をなくす」といった具体的な工夫が生まれてきます。
このように、第三者から言われてやるのではなく、自分で考え、気づいて答えを出すことが、結果として主体的な行動へと繋がっていくのです。
瞬時に引き出せる「質問のストック」の重要性
1on1やコーチングの最中に、瞬時にこうした良い質問を投げかけるためには、自分の中に質問のバリエーション(ストック)が用意されていなければなりません。
これは、洋服ダンスの整理によく似ています。
Tシャツや靴下が種類ごとにきれいに整理されていれば、必要なタイミングですぐにお目当ての服を取り出すことができます。質問も同様で、「視点・視座・視野を変える」「核心を突く」「振り返る」といった「質問の意図」ごとに整理された引き出しを持っていなければ、とっさに効果的な質問を思いつくことは困難です。
まずは、どのような意図の質問があり、それぞれにどんな種類の質問があるのかを、自分の中である程度整理しておくことが不可欠です。
質問力を高めるコツ①:オリジナルの質問集を作る
では、具体的にどのように質問力を高めればよいのでしょうか。
すぐに実践できる方法の1つ目は、オリジナルの質問集を作ることです。
まずはスプレッドシートやExcelなどを使用し、2列の表を作成します。
表の構成としては、1列目には「質問の意図」を記載し、2列目にはそれに該当する「質問の例」をリストアップしていきます。
実践にあたっては、最初はリストを見ながら1on1やコーチングを行っても問題ありません。
「今日はこの質問を使ってみよう」「明日はあの質問を試そう」と意識的にリストを使ううちに、必要なタイミングで自然と効果的な質問が引き出せるようになるという効果が期待できます。
質問力を高めるコツ②:自身のセッションを録音・録画する
2つ目の方法は、自分の1on1やコーチングの会話を録音・録画することです。
Web会議システム(ZoomやTeamsなど)を使えば、簡単にセッションを録画できます。
(※実施する際は、必ず相手の許可を得てから行ってください )
後で自分のセッションを客観的に見直すことで、自身の問いかけの癖に気づくことができます。
・「質問が長すぎる」といった自分自身の課題が見つかることがあります。
・「何を聞こうとしているのか、意図が分かりにくい」という点に気づくこともあります。
他人から直接指摘されなくても、自分自身の音声を振り返るだけで修正ポイントが見つかり、
着実に質問力の向上に繋がっていくはずです。
まとめ
今回は、相手の主体的な気づきを促す「破壊的質問力」の重要性と、それを高めるための2つの具体的なコツについてお話しいただきました。
すぐに答えが出ない「良い質問」は、相手の思考を深く促し、自発的な行動を引き出すための強力な武器になります。しかし、そのためにはまず、自分の中に質問の意図と例のストックを持っておく必要があります。
①オリジナルの質問集を作る、②自分のセッションを録音・録画して振り返る
という2つのアプローチは、実践することで効果が期待できる方法です。
まずはできるところから挑戦し、相手の可能性を最大限に引き出す質問力を磨いてみてはいかがでしょうか。
【 解剖!ビジネスコーチング大全 シリーズはこちらから 】
第1回:なぜ今、1対1のコーチングが求められるのか?
第2回:「良いビジネスコーチ」と「良いクライアント」の条件とは?
第3回:「聞いているふり」を卒業し、真の傾聴を実現するには